一夜明けて風もおさまりホッとしている自分です。 皆さま、ご自宅の被害は大丈夫でしたでしょうか? 自宅は山の方なのですが、昨晩は風で家が揺れたりミシミシ音がしたりとほんと嵐のようでした。
さて、3回にわたり書いてきました宮城県石巻市での築80年古民家リフォームですが今日が最後です。 昨日は玄関~広縁~洋室と紹介して参りましたが、今日はキッチンと和室、それに紹介し忘れてた部分です。
それではキッチンから。
キッチンは同位置交換、クリナップのクリンレディ。 ここ数年自分イチオシのシステムキッチンです。 今やキッチンは収納する場所、その扉寸法の割り振りだったり、片づけやすさという点で間違いがありませんね。 窓はインナーサッシで寒さ対策しました。
間取りの変更はありません。 キッチンの階段側に壁をつくって油汚れの飛散防止と内装という内容です。 床は防水を考えウッド調クッションフロアにしています。 収納計画は家具対応、高いところは使わないという考え方でした。 家電で収納したいのは ①電子レンジ ②炊飯器 ③オーブントースターでしたがきちんと収納できてます。 とても使いやすそうですね♪
お次は和室の紹介です。
奥の部屋の床が高く、手前にくるほど床は下がっていました。
和室で見える部分は木部の塗装と襖に畳、それに壁の左官工事をさせて頂きましたので見た目の変化は少ないです。 地震の影響もあり床のレベル(高さ)が奥にいくほど高くなっていました。 それぞれ床下や壁下の土台まわりはすっかりといっていいくらいやり替えています。 レベル調整と床断熱、この2点で建具の開閉はスムーズ、冬の寒さ対策と安心も得られるので年数が経過した建物にはおすすめの内容です。 これからまた30年は安心してすごして頂けると思います。 白アリにはかなりやられていたので防蟻処理と地面からの湿気対策ビニールシートも施工済、派手さはありませんがこうゆう部分も大切ですね。
和室の続き間、こうゆう解放感はやはり落ち着きます! この雰囲気は現代の住宅にはなく古民家ならではだと再確認しました。
古い建具は「さしもの大工さん」という方がつくっていたのですが、今はほとんど存在しません。 古い建具は一点物ですから大切にしたいものです。
こだわりの素材は「でき杉くんフリー板」それで敷台をつくりました。タイルの上にはフロアタイルを施工、ちょっと新しい~♪
今回の古民家リフォームを終わってみて感じたことは、「やはり後世に継承されるべきもの」なんだな~ということです。 お客様も最初は建て替えがご希望でした。 終わってみればこの選択で本当によかったとのこと、なにしろ同じものは手に入らないというのもありますが、それ以上にこの住宅につまっている歴史を自分の子世代につなげられたという気持ちが大きかったようです。
新しいものはやはりいいですが、自分はこうやって古いものと新しいものをうまく合わせる提案を続けていきたいという想いが強くなったと思うリフォームでした。